2022/12 月間走行距離

距離1285.5km、高度6996m。山は寒くなったので暖かい平地でトレーニング。300km・400kmブルべを走って距離はそこそこ。コロナ罹患から2カ月、後遺症はマシにはなってきましたが継続中な感じ。徐々に良くはなっているので、シーズンin前にはよくなってくれるといいなあ。

ツール・ド・おきなわ 市民210km 2022 ~参戦準備編~

まず移動プランと宿ですが、140kmと比べたら楽です。140kmスタート地点の国頭付近は宿が少なくて、しかもスタートとゴールが別地点なので一人参戦で当日帰りたい場合は結構忙しかったりします(過去記事参照)。それに比べると210kmはスタートとゴールが同じ名護で、名護付近は宿が豊富なので悩むことはありませんでした。スタート地点付近にすんなり宿確保。レンタカーは沖縄は余り気味なのでこれも楽に取れます。

飛行機は金曜夕方の便か土曜の朝の便か迷ったのですが、ニセコで割と移動疲れがあったので金曜夕方の便で前々日入りすることにしました。金曜は沖縄に行くだけで那覇付近で宿泊、翌朝レンタカーに借りて名護に移動というプラン。これはゆっくりできて正解でした。

飛行機輪行は以前とちょっと事情が変わっていました。ANAが3辺203cmまで重量20kg以下無料というのは変わらず。JALスカイマークはサイズ上限が50×60×120cm以内で20kg以下無料。以前スカイマークは203サイズなら問い合わせ無しで行けたのですが、問い合わせが必要になってしまいました。スカイマークは電話が全然繋がらないので地味に大変です。JALもホームページ記載のルールを厳密に解釈すれば問い合わせは必要。まあダメとは言われないでしょうけど、そこで冒険する必要はないので事前連絡しておいた方がよさそうです。ニセコクラシックのメインスポンサーになっているだけあってANAは203サイズなら事前連絡必要なく飛行機輪行に優しいですね。余談ですが北海道に行く場合のジェットスターは2000円かかりますが一辺2.3m、32kgまで203サイズでOKです。

飛行機輪行の方法について。リムブレーキでハードケースならQbicle(ACOR)のバイクポーターPROでいいでしょうけど、ハンドルを気軽に外せないディスクロードはシーコンのエアロコンフォートになるんですかね。この場合サイズはどの飛行機会社でも超過しているので事前に問い合わせておいた方がよさそうです。個人的にソフトケースはあまり使う気になりませんが、OS-500で飛行機輪行している人も結構います。OS-500ならディスクロードもハンドル外さず行けますね。

機材について。ニセコクラシック150kmと同じです。Helium SLXにホイールはSpeed 40C、タイヤは25CのコンチネンタルのGP5000。空気圧は6.5/7bar。タイヤと空気圧についてですが、パンクは絶対したくないので安心と信頼のGP5000、空気圧もちょっと高めです。この辺はマージナルゲインを稼ぐよりも信頼性を重視しました。チェーンリングは52×36のセミコンパクト、リアのスプロケは11-30T。コンパクトだと下りで足りないのと、なるべくアウターで押し切れるように30Tを選択。

補給食に付いて。これもニセコとほぼ同じです。固形は食べられても3個なのでエネもちを3つ。Salomonのソフトフラスコに自作ジェル250ml。カフェインジェル、Mag-onジェル×2、メイタンCCC200。これは適量でした。

ボトルについて。2022年のツールド沖縄はコロナ対策のために補給所ではボトルではなく水かスポーツドリンクのペットボトルを開けて手渡しというアナウンス。ニセコクラシック140kmでは750ml×2で行って気温が低くペースが上がらなかったのもあり半分以上飲みませんでした。それなら沖縄は750ml×2でボトルというかペットボトル無補給で行けるかなと思ったのですが、結果的には甘かった。ペースも気温もニセコより上で思った以上にボトルを消費、途中から節約しながら補水してました。ボトル貰わずに行くなら1l×2で行くべきでした。まあ来年はコロナも収まって補給所は普通にボトルだと思うので500~750ml×2でよさそうです。

2022/11 月間走行距離

距離522.9km、高度3359m。10月末に新型コロナにかかってしまい、ツー・ル・ドおきなわと200kmブルべ1本を無理矢理走ってみたぐらいで殆ど走れず。一か月以上経過の今も後遺症が続いていて、パワーは一時7割ぐらいで今8割、スタミナは100kmぐらいで切れてしまう状態。そんなに踏んでもいないしケイデンスも上げてないのに心拍が上がりやすいおかしな状態も続いています。

走っても正直つまらないのですが、完治した時の事を考えると何もやらないよりはいいだろうということで、とりあえず年様子見も兼ねて無理せず走れる範囲で走る予定。PBPに向けてブルべもできる範囲で。新型コロナはかかってしまうと本当に厄介です。

GORIX トルクレンチ 小型 ビットセット付き 8847 トルク測定器

ニセコクラシック参戦のためにバイクポーターPROで飛行機輪行した時、ヒヤっとしたのが重量。スタンドやら前日練習用ジャージやら詰め込んだせいか、19.8kgと追加料金なしの制限重量20kgギリギリでした。Helium SLXじゃなくてTCRだったら引っかかってたレベル。これはもう少し軽量化しないとなあと次回の飛行機輪行ツール・ド・おきなわに向けて持って行く荷物を見直すことにしました。

一番に思い付いたのはトルクレンチ。カーボンフレームの組み立てには気を使うのでトルクレンチを持って行ったのですが、これが意外と重い。ニセコに持っていったのはSK11のデジタルトルクレンチで普段の使い勝手は良いのですが、もう少し軽くしたい。デジタル式トルクレンチだと重くなってしまうので、飛行機輪行用にアナログ式のトルクレンチを探してみることにしました。

飛行機輪行で外すのはシートポストとハンドル。両方5Nmなのでプリセット型トルクレンチ(固定型トルクレンチ)も候補に入ってきます。ロードバイク用としてメジャーなトピークのアナログ式のコンボトルク&ビットセットはちょっと嵩張るので他を探してみます。候補に入ったのはTONEのトルクグリップ(TG5)とGORIXのトルクレンチ。TONEは安定の日本の工具メーカーで間違いないと思うのですが、5Nmは割と力をかけるので柄が長いGORIXのトルクレンチにしてみました。携行する時を考えるとT型より首の短いL型の方が収まりがいいかなというのもあります。

使ってみると、普通に使えますね。5Nmで締めた後にSK11で締めてみると、大体あっているようです。最初の一本のトルクレンチがこれでもよかったかなあというレベル。付属のビットは値段なりの精度ですが、気になれば買い替えればよいし実用には十分です。持ち運びにもコンパクトでハンドルやシートポストを外す輪行時に携行するなら現状ベストな製品じゃないかと思いました。

 

2022/10 月間走行距離

距離954.6km、高度11680m。月初にHINOHARAステージ。楽しかったし強度もあがってレースはトレーニングになるので、来年は距離長めのレースのエントリー回数を増やそうかな。あとジャパンカップ観戦はプロのレースを本当に目の前で見られて刺激になりました。月全体としてはツール・ド・おきなわ前で走り込んでおきたかったのですが、雨やら体調不良やらメカトラやらで失速してしまいました。まあ仕方ないですね。もうあまり無理せずに疲労を抜いて本番まで体調を整えるだけにしようかと思います。

Fulcrum Speed 40C 購入検討編

ツール・ド・おきなわ140kmに初参加した後に強く思ったこと。またこういうロードレースに出たい!・・・直後に椎間板ヘルニアになってロードバイク長期休止になってしまったのですが、復活したらやっぱりロードレース熱が再燃してきてしまって。沖縄と同じような長距離ロードレースのニセコクラシックにも出たいと思うようになりました。色々調べているとニセコUCI公認市民レースで、どうやらホイールもUCI approvedのものでないとダメらしいんですね。走行前に車検はないので、「オイ、そこの中華カーボンホイール!ルール違反で出走禁止や!」とスタート前に呼び止められることはないでしょうけど、ルールはルールなので守ることにしました。

ニセコクラシックのコースは距離150km・獲得標高2600mということで、リムハイト40mm前後のUCI approvedなカーボンホイールを選ぶことにしました。以前レース用に中華カーボンのICANカーボンチューブラーホイールを買った時に思ったのですが、レースの時だけにしか使わないホイールって何か勿体ないんですよね。どうせなら普段も使えるものがいい。となるとタイヤはクリンチャー。クリンチャー用のホイールから探します。

ここで一つ問題があり、機材はリムブレーキなんですよね。本番の天気はもちろん晴れとは限りません。雨でも止まりやすそうなリムブレーキとなると、リム面にAC3加工がしてあるカンパニョーロのBORA WTO・BORA ONE・BORA UltraかフルクラムのSpeed 40C・Wind 40C、リム面にiTgMAX加工がしてあるMAVICのCOSMIC SLR40、忘れちゃいけないリム面がアルミのデュラエース C40クリンチャー(WH-R9100-C40-CL)に候補は自動的に絞られてしまいました。

最初は設計が新しいBORA WTOに惹かれたのですが、どうもBORA WTOはクリンチャー運用がしにくいようです。クリンチャー運用時、タイヤを外す時(嵌めるではない)にビードがメチャクチャ外れにくいようで、整備馴れしてるベテランでもそんな感じのようです。普段使いして出先のパンク時にサクっとチューブ変えられないのもなあってことでBORA WTOは候補から外れ。MAVICは信頼性や作りの良さは文句ないけど、キシリウムプロSLを使ってた時にハブの回転がそんなによくなかったこともあって除外。COSMIC SLR40はカタログで1390gですがマヴィック重量なので恐らくSpeed 40Cの1420gと差はないでしょうし。デュラエースC40はリム面がアルミというのは良いのですが、ちょっとリムが細いかなと。1508gという重さも気になりました。

最終的にBORA ONEとSpeed 40Cが候補に残りました。この二つは甲乙付け難く随分迷ったのですが、決め手はフルクラムが好きだというところ。レーゼロCULTのC15の乗り味は本当に気に入ってて、スポークはG3組よりも2:1がいいなと。あとはリムハイト。中華カーボンの38mmが割とちょうどよくて、それに近い40mmというところに惹かれました。BORA ONEは35mmだと低いし、50mmだと高いんですよね。リムプロファイルが最新のBORA WTOみたいなU字ではなくV字風味だったりC19じゃなくてC17(内幅17mm/外幅24.5mm)だったり若干の設計の古さは否めませんが、普段の使い勝手=タイヤ交換のしやすさを考えるとクリンチャー専用のC17がいいかなと。話は少しそれますがアルミでもカーボンでもC19だと2WAY FITで、クリンチャー専用はC17までしか各社ありません。でもクリンチャーしか使わないならクリンチャー専用リムってタイヤ嵌めやすくて良い選択だと思います。

というわけで、Fulcrum Speed 40Cに決定。海外通販を利用、Starbikeで21万ぐらいでした。インプレ編に続く。

Ridley Helium SLX リムブレーキ 12000km走行インプレ

Helium SLXを乗り始めて1年ほど経ちましたが、あっという間に12000km走ってしまいました。一言で言えば、メチャクチャ良いフレーム!です。乗り込めば乗り込むほど、どんどん気に入ってしまいました。

最初にハイエンドフレームに対して抱いていたイメージは軽いけど硬い、パワー伝達効率は良いだろうけど疲れるんだろうな、という感じでした。しかし実際はミドルグレードの2012年TCR ADVANCED比でパワーも伝わるし乗り心地も良い。オーリンズサスペンションが入っているわけでもないカーボンの塊でこれが両立しているのが不思議で仕方がないのですが、乗ってみるとそうなのです。TCRはT700(=24T)のカーボンしか使っていないのに対し、Helium SLXは60T/40T/30Tと異なる弾性のカーボンを使用し、BB周りはボリューミーでシートステーは極端に細かったりするのですが、この辺に秘密がありそうです。

考えてみればHelium SLX含めハイエンドフレームはワールドツアーを走るために作られたフレームであり、ツール・ド・フランスも走るわけです。ツール・ド・フランスは23日間で休息日は2日、3300mも走る過酷なレースで、パワー伝達ばかり重視したら鍛えているプロ選手といえど体に負担がかかってしまいます。距離が長いだけでなくパヴェ(石畳セクター)もあり、乗り心地や脚へ優しさなど疲労軽減もツールを走るハイエンドだからこそ重要な要素になってきます。パワー伝達、乗り心地を高次元でバランスさせたのがハイエンドフレームで、決して硬いだけではないのです。中にはパワー伝達の方に傾けて硬くて脚に来るハイエンドフレームもあるでしょうけど、Helium SLXに関して言えばパワー伝達・乗り心地共にバランスよく高次元に両立していて重量も軽く、ミドルグレードのTCRよりも全てが上回っています。初心者がいきなり乗っても大丈夫でしょうね。よく初心者はハイエンドやめとけなんて言いますが、ハイエンドは乗り心地も重視してあるハズなので、Helium SLXのようにバランス型のであればむしろ初心者にいきなりハイエンドはオススメできるのではないでしょうか。

まず平坦ですが、乗り換えて最初に強めにパワー入れた瞬間に、あれ全然違うわでした。TCR比で踏めばスーッと進みます。そして振動もよく吸収してくれて乗り心地が良いです。Helium SLXはクライミングバイクと言われていますが、平坦でも楽しいです。登りはシッティングも良いのですが、特にダンシングで気持ちよくグングン進みます。TCR比で100gぐらいじゃ大差ないだろうなと思っていた軽さも実感できます。但しこの辺はあくまで乗って感じたことで、ヒルクライムのタイムがいきなり縮んだとかはありませんでした。ただロングライドで楽になったというのは確実にありました。ポタリングでも乗り心地よいので恩恵あります。

褒めてばかりではなんなので、短所っぽいところも。平坦でペダリングが雑過ぎると、TCR比でちょっとリアが若干ゆらゆらするような感触もあります。この辺はシートステーが流行りのオフセットありのドロップシートステーではなくクラシカルなスタイルで後ろ三角が大きかったり、シートステーが極細なのも原因かもしれません。フレームサイズをTCRの時のXXS(440)に比べてHelium SLXはXS(480)と大きくしたのも影響していそうです、これも後ろ三角が大きくなる要因。ちょっと気を付けて回してやれば、綺麗に前に進んでいってくれます。

下りはブレーキング時TCR比でフロント周りに若干の頼りなさがあります。ジャイアントに乗っている時はフロントフォークのコラム径が特殊な規格のOD2(1-1/4インチ規格31.8mm)でステム交換の選択肢が少なくてなんだかなー、独自規格にするなよなんて思いましたが、一般的なオーバーサイズ(1-1/8インチ規格28.6mm)のHelium SLXに乗り換えてみるとOD2の良さも分かりました。少しだけ太い直径のOver Drive2にはちゃんと意味がありました。まあオーバーサイズのHelium SLXでもフロントフォークに必要十分な剛性はありますし、この辺は軽さとトレードオフでしょうね。

コンポは機械式9100デュラで組んで、ホイールは最初ロード再開直後だったということもありフロントはストレートプルでTNIのAL22W手組、リアはALX473にしました。しかし後からレーゼロやSpeed 40Cを履いてみてから思ったのは、このフレームに合うホイールは最低でもゾンダやレーシング3以上だということ。一番合うのはカーボンホイール。ALX473ではフレームの剛性にホイールが負けていて何だかチグハグな感じがありました。レーゼロで剛性はフレームとバランスが出て、Speed 40Cで更に一体感が増しました。ツールではBORA ONEでプロがそのまま乗っていたわけで、何だか納得してしまいました。タイヤは28Cまで対応しているようですが、23Cよりも25Cの方があっていました。C15レーゼロでも登り・下り・平坦トータルなら25C履いた方がいいですね。登りのみなら23Cですが。

総評としては何でもこなせて初心者からプロまで乗れる、ヒルクライムレースもロードレースもロングライドもこなせる万能フレームです。エアロ性能はフロントフォークの付け根ちょっと頑張ってるかなぐらいであまりありませんが、クラシカルな形状では完成度高いフレームです。リムブレーキの中では設計が新しいというか、最終設計モデルで太めのタイヤが入るのもいいですね(公称28Cまで)。10年後には、リムブレーキ史上最高のフレームセットの一つだったとか伝説のように語られているかもしせません。