Ridley Helium SLX なぜ今ディスクブレーキではなくリムブレーキか?

昨年の事ですが、Helium SLXのリムブレーキ版フレームセットを購入しました。リムとディスクどっちにするか迷いましたがリムブレーキ版を選択。リムブレーキからディスクブレーキに移行が進む今、なぜ今リムブレーキを買うのか? 理由は大きく三つあります。

まず輪行の問題。以前はロードバイクに乗ることを考慮してサイクリングロードの近くに住んでいたりしたのですが、事情があり引っ越し。平地はともかく山へのアクセスが遠くなり、電車輪行するようになりました。山が好きで毎週のように輪行しているのですが、意外に輪行にかかる時間がロスです。ディスクブレーキにするとリムブレーキと比較して行き帰りの分解&組み立てがプラス数分×4倍余計にかかります。3分なら12分、5分なら20分。この12分とか20分って、あともう少し登るか帰るかって時に割とデカいんですよね。日が暮れてからは走りたくないし、輪行にかかる時間が増えれば増えるほど走る時間が少なくなってしまいます。ディスクブレーキでも輪行は簡単!とか、〇分でできる!とか動画であったりしますが、どんなに頑張ってもディスクブレーキよりリムブレーキの方が輪行は簡単で速いです。

もちろんディスクブレーキのストッピングパワーは魅力です。よくリムでも簡単にロックできるからなんていう人もいますが、ロックできるまでの減速力の立ち上がりにかかる時間がディスクロードの方が短く、結果ディスクロードの方が止まります。また、雨天でもディスクの方が止まります。しかし自分のロードバイクライフを考えてみると、走りやすいルートを選び安全マージンを取っていればリムでもそれ程問題は感じません。ディスクであれば雨天のロードレースやブルべで不安なく走れるメリットはありますが、ロードバイクライフの大半を占める晴れた日の普段走りはリムのストッピングパワーでも十分かなと。レース用にカーボンチューブラーホイールを買ったものの、レース前とレース本番だけで全然使っていません。普段走りのことも考えてカーボンクリンチャーにしておけばよかったと思い、結果カーボンクリンチャーを買い増ししました。普段走りの利便性が今の自分にとっては一番大事で、普段走りが輪行になってしまっている現状では、輪行が簡単なリムブレーキがいいかなと。

次に軽さ。最近ではハイエンドフレーム+デュラであればディスクロードでも6.8kg到達は簡単なレベルになってきましたし、エートスとかあったりもするんですけど、それでもやっぱりリムブレーキの方が軽くするのに費用がかからず簡単です。極限まで軽いヒルクライム用バイクを作る場合もリムブレーキに分があります。初めてロードバイクに乗った時に感動したのは軽さで、これが変わらないのにお金をかける気にはどうもなれませんでした。あと同じ重量でもディスクブレーキよりリムブレーキに軽快感を感じる人が多いようです。同じ重量であればフレーム重量を削ってキャリパーやディスクによるディスク化の重量増分と相殺しているわけですが、これはmorotorcycleや四輪でいうバネ上重量を減らしバネ下重量を増やしたことになります。リムはディスクの方が軽くなったりしますが、トータルはディスク化するとバネ下重量は増えます。この辺が軽快感に影響しているんでしょうね。バネ下重量の軽量化はバネ上の10倍なんて言いますが、人間が走る時のことを考えてみてください。靴に3kgずつ重りを付けるのと、6kg背負って走るのはどちらが軽快でしょうか?後者です。

そして輪行に有利で軽いリムブレーキロードバイクですが、ハイエンドのリムブレーキを買うなら今が最後の機会だということ。主要メーカーはリムブレーキのハイエンドを作らなくなりました。2021年の後半時点で新品で手に入りそうで、自分好みのリムブレーキのハイエンドモデルで在庫があったフレームはHelium SLX、ビアンキスペシャリッシマ、BMCのSLR01ぐらいでした。FOCUSのイザルコマックスもよかったんですけどもう無し。2022年現在だとリムブレーキのハイエンドをラインナップしているのはLookの795 Blade RS・785 Huez RSとビアンキスペシャリッシマ、TIMEのALPE D'HUEZ 01ぐらいです。ディスクブレーキはこれからいくらでも買う機会はあるし、どんどん進化もします。急いで買わなくてもよさそうです。

住環境が変われば今後ディスクブレーキ車を買い足すこともありそうですが、リムブレーキのバイクは手元に残すと思います。ディスクブレーキをメインにして、ヒルクライムスペシャルのリムの2台体制なんて素敵です。そのためにも今リムブレーキのハイエンドフレームを確保しました。あと機械式を1台持っておきたいのもあります。変速性能自体は電動の方が上です。9100デュラは8050電動アルテにさえ変速性能だけなら負けています。9200デュラや8100アルテ相手では恐らく完敗でしょう。でも官能性というか、機械式の操作している感が好きです。TCRを組む時のコンポ選定でも思ったことです。600kmブルべ走ったりすると、官能性とかどうでもええから楽に変速させろや!なったりするんですけど、まあそれも修行ということで。

そんなわけで、リドレーHelium SLXのリム版のフレームを購入しました。リムブレーキで機械変速の最高のバイクにしたいと思います。