ロードバイクで速く走るにはどうすればよいか? やっぱり回すペダリング~足首を動かす

ロードバイクで速く走るにはどうすればよいか?自分の考え方の変遷から最近目覚めた(?)足首を動かすペダリングについて書いてみます。

まず自分が通い始めたのは荒川サイクリングロードでした。40km/hを超えるスピードで巡航している人もいるわけですが、荒サイで速い人を観察して思ったこと。とにかく筋肉がスゲェ!ふくらはぎモリモリでローマ時代の彫刻のような筋肉なんですね。ああ、速く走るには筋肉なんだなと思いました。筋肉を付けるにはどうすればいいだろう?筋肉にとにかく負荷をかけて筋力をつける。自転車に乗るのは好きだけど筋トレは別に好きじゃないので、とにかく筋トレ代わりに自転車を漕ぎまくる。重めのギアでガンガン踏む。ロードバイクの常識は軽いギアでケイデンス維持して回すぺダリングですが、そんなものは無視してとにかく重いギアを踏む。あと食事は高たんぱく低脂質を心がけてプロテインやサプリも摂ってみたりしました。

結果はどうだったか?巡航速度も峠のタイムもあがりました。筋力もつきました。荒サイで見かけたような彫刻のような筋肉には程遠いですが、特に膝に近い内腿のあたりが付いたようで、ブランドによってはスキニーが履きにくいです。しかしここで一つの疑念がわきます。ちょうど荒サイの平坦からヒルクライムにハマり始めた時期だったのですが、ヒルクライムで速い人を見ても特に筋肉ムキムキではないんですね。自分が多少付いたので、それほど他の人を見ても筋肉スゲェと思わなくなったのもありますが、その辺を差し引いても速い人は必ずしも筋肉ムキムキではないです。パっと見は筋肉が付いてないように見えても、もしかしたらヒルクライムに必要なヒルクラ筋(?)だけは無駄なく付いていている可能性もあるのですが、ここで一つの仮説を立ててみました。速く走るのにそんなに筋肉はいらないのでは?むしろ、筋力を上手く使うことが大事なのでは?所謂ぺダリング効率というヤツです。エアロフォームなどペダリングに限ったことではないので、単純に効率とか伝達能力と言った方がいいかもしれません。

最初に書いた通り、自分のぺダリングは筋トレ代わりの踏み踏みぺダリング。これをやめて一般的に言われているロードバイクの常識、回すペダリングを意識して試行錯誤してみますが、特に峠のタイムが劇的に伸びるわけでもなく結果は芳しくありません。後で考えれば、自分は回すペダリングを意識しても回すペダリングにはならないタイプの人間だったという話なのですが、その時は何も気付きませんでした。

そんなこんなで停滞していたのですが、突破口は200kmブルベを走っている時です。ブルベは600kmまでクリアしていて、ただ200kmを走るだけでは楽勝すぎてツマラナイし、トレーニングがてら勝手にタイムアタックをしていました。前半は順調にハイペースでクリアしたのですが、飛ばし過ぎたのか後半めちゃくちゃ辛い。これはもうどうにもならんと思って楽なペダリングはないかと色々試してみた時に、んんんこれは!と思ったものがありました。名付けて「足首へにゃんへにゃんペダリング」です。膝から先にはどこにも力を入れずにストーンストーンと落とすようにしてペダリングすると、足首がへにゃんへにゃんと曲がりながらクランクが回ることになるのですが、これがめちゃんこ具合が良い。特にパワーを入れてないのに意外とバイクが進むんですね。で、そこから足首はへにゃんへにゃんさせたまま余力を振り絞ってパワーを入れてみたら、これまたバイクがめちゃめちゃ進む。これはブルベの疲れが回復したら絶対フルパワーで試してやろうと思いました。

ブルベから次の週末に白石峠に行ってみると、結果は一ヶ月前の27分23秒から25分52秒へ-5.5%の大幅タイムアップ。白石までは超絶ポタリングモードでセーブしていたのですが、白石峠計測区間に入ってフルパワーで踏み始めてクランク数回転でこれイケるわって感触ありました。クランクがぐるんぐるん回ってバイクが進む、これが回すペダリングか、ペダリング効率が上がるってこういうことかって思いました。足首をへにゃんへにゃんさせることで踏むペダリングから回すペダリングになったんです。

速さの要素は大きく筋力・心肺能力・伝達能力(ペダリング効率・エアロフォームなど)の3つで、一ヶ月間の筋力や心肺能力の向上分もタイム短縮に寄与しているとは思うのですが、短期間に急激に筋力や心肺能力が高くなることはないので、この-5.5%はほぼ伝達能力の向上分と見ていいと思います。敢えて言えば、大体同じペース(1700km/月)で走り続けて三ヶ月で28分09秒から27分23秒へ2.7%短縮していたので、筋力と心肺能力分を0.9%/月と見れば、その後の一ヶ月で27分23秒から25分52秒で短縮した5.5%のうち筋力と心肺能力の分0.9%/月を引いて4.6%が伝達能力の向上分かなという感じ(アバウトな計算ですが)。まあ乗り方を変えてすぐタイムアップしたので、ほぼ伝達能力(の中のペダリング効率)ということでいいでしょう。

結局は踏むぺダリングから回すペダリングにしたらペダリング効率あがったよという当たり前の話ではあるんですが、回すペダリングにするにはどうすれば良いかは人によって違います。人間は意識してやらないとできないこと、無意識でもできることがあり、意識してやらないとできないことに意識を向けてやるのが大事で、回すペダリングを身に付けたいならどこに意識を持っていけば回すペダリングになるのか探してやる必要があるんです。それはそのまま「回すペダリング」であったり、あるいは自分のように「足首」だったり、他にも「かかとの位置」「太腿を上げる」「踏まない」「早めに荷重&抜重」「何時まで踏んで何時まで引く」「コンロッドとピストンをイメージ」など人それぞれ。この中の二つを組み合わせれば上手くいく人もいるかもしれない。自分の場合は「足首」で、それ以外では試したこともありましたが特に目立った変化はありませんでした。「足首」を疲れた時に試したのもよかったのかもしれません。あと、「足首」で改善してからは「コンロッドとピストンをイメージ」で更に定着した感じがあります。

そんなわけでやっと回すペダリングの入口に辿り着いた感じがあるんですが、回すペダリングになって良かったことはヒルクライムのタイム短縮以外にもあります。荒れた路面とかダートでもペダルが360度力のかかってない時が以前より無くなって空転しなくなりました。ということはペダリングモニターが無くても、荒れた路面やダートで綺麗にペダルが回るかが一つの目安になるかもしれまん。で、更に荒れた路面で綺麗に回るように試していると「クランクを中心に糸にくくりつけたペダルを糸がたるまないように遠心力でブンブン回している」みたいなイメージを意識するのもペダルを回すには良かったです。遠心力が最小限で糸がたるまないのが最も効率がいいのでしょうけど、糸がたるむ瞬間があるぐらいなら遠心力をかけすぎるぐらいの方がロスは少ないと思います。荒れ地で綺麗にペダルが回ればオンロードでも回るということは、シクロクロスをやればロードのペダリング効率あがるのかななんてアイデアも浮かびます。オフロードを走るとオンロードに生きるってmotorcycleの世界でも言われていることですが、如何にタイヤで路面を捉えるのかという部分は同じなのかもしれません。