Helium SLX ロードバイク組み立て その3 ケーブルルーティングのやり方・注意点など

Helium SLXのケーブルルーティングの注意点としてまずBB付近、フロントディレイラーへのシフトケーブル経路。シマノデュラエース9100FD(FD-R9100-F)だとケーブルのルートが穴の中心からズレた位置になるので、穴を塞ぐ付属のゴム部品を付けるとゴム部品でアウターケーブルを押す形になってインナーケーブルの通り道が狭くなり、これが抵抗となってフロントディレイラーの変速がメチャクチャ重くなります。Helium SLXのリム版は最終モデルになるとDi2専用になってたりするのでDi2向けの作りになっているのか、もしくはSRAMやカンパなら中心に来るのかもしれませんが、シマノの9100デュラエース紐の場合はゴム蓋無しで使うしかなさそうです。

というわけで蓋無し。6000km走行後(うち雨天300kmぐらい)のBB交換の時に中を見てみましたが、ゴム蓋無しでも特に砂利が入ってきている様子もないので、雨の日に自転車にそれほど乗らなければ蓋無しでも大丈夫そうです。

リアのシフトケーブルのルーティングはシフトケーブルを簡単に交換できるように工夫しました。Helium SLXのメーカー指定は恐らくBB下までアウターケーブル、BB下からチェーンステーは何もなく、チェンステー出口からはシマノのシフトアウターケーブルOT-RS900でリアディレイラーへというルーティングだと思います。これのどこが問題かというと、シフトケーブル交換のたびにライナー管を使用して、下手するとBB下部品を外さなくてはいけないんですね。BB下部品を外すということはFD調整もやり直さないといけない。リアのシフトケーブルは4000km超えるとほつれたりしてきますが、自分の乗るペースだと2~3ヶ月に一度は交換しないといけないわけで、こんな面倒な作業を2~3ヶ月に一度の頻度でやるのは気が滅入ります。

TCRの時はBB下でアウターケーブルが出会うように組んで、インナーケーブルをそーっと抜いて新しいインナーケーブルをそーっと差し込めばライナー管を使わずにシフトケーブルを交換できるようにしました。Helium SLXもライナー管を使わずに交換できるようにしたいです。

そこで一工夫。ジャグワイヤーのMountain Elite Link Shift Kitの部品を使い、フレーム入口からリアディレイラーまで一本のアウターケーブルで仕上げました。リドレー純正のアウターケーブルがヘッドチューブ部の入り口から入り、チェーンステー後部の出口から出て、リアディレイラーの受けまで通っています。チェーンステー後部出口からリアディレイラー受けまではジャグワイヤーのアルミリンクを被せます。

赤い部分が一本の繋がったアウターケーブルになっています。これで楽に交換できるようになったと思ったのですが、ただジャグワイヤーのアルミニウムのリンク部品をアウターケーブルに被せるだけだと変速がうまくいきません。例えばシフトダウンでトップから3枚目にした時とシフトアップでトップから3枚目にした時とでリアディレイラーの位置が微妙に違うようで、シフトダウンで異音なしで調整してもシフトアップでシャリシャリ異音が発生したりといった症状が出ます。シフトダウンで合わせたらシフトアップでシャリシャリ、シフトアップで合わせたらシフトダウンでシャリシャリと永遠にシフト調整が終わりません。

なぜシフトアップ時とシフトダウン時でRDの位置がズレるのか。STIの位置が同じでディレイラーの位置が違うのであれば、STI~RD間の距離がシフトアップ時とシフトダウン時で変わっているとしか考えられません。そこで、チェーンステー出口からリアディレイラーまでのアルミリンクとアウターワイヤーの間にライナー管を入れたり、リアディレイラーの受けに差し込む部分にはビニールテープを巻きました。ビニールテープは巻きすぎるとFDのゴム部品と同様、シフト操作が重くなるのて注意。こうすることでジャグワイヤー部品のアルミリンク内でのアウターケーブルの遊びが少なくなり、シフトアップ時もシフトダウン時もSTI~RD間の距離がほぼ一定となってシフトが合うようになります。

この辺はかなり試行錯誤しましたが、乗り換えて同じコンポ・ケーブル内装式フルアウターで整備性が悪くなるのはモヤっとするので納得いくまでやりました。これでシフトケーブル交換時は引き抜いて入れるだけ、簡単な作業で済むようになりました。