ツール・ド・おきなわ140km参戦記 その3 ~機材選定&準備編~

ツールド沖縄140kmを走るための機材ですが、結論から言ってしまうと完走目的なら普段乗っている普通のロードバイクで十分だと思います。エントリー~ミドルグレードのフレームにノーマル~ゾンダあたりのアルミクリンチャーホイール、灯火や小さいサドルバッグ付きの普段乗りっぽいバイクでそのままみたいな人も結構参加していました。ただ先頭付近に並んでいる本気組っぽいバイクはミドル~ハイエンドフレームにカーボンディープの組み合わせが多かった。

ホイールで圧倒的一番人気なのはボーラワン/ウルトラ、クリンチャーよりチューブラーが多め。ボーラ率高いです。二番人気がマヴィックCOSMIC、ENVE。GOKISOもちらほらいます。前日に名護の受付でGOKISOはブースを出していて、なんと翌日のレースで使って良い貸し出しサービス!を行っていました。これは滅多にない機会だし借りて履いてみようか迷ったのですが、その場でGOKISOホイールについて調べると相当な剛脚じゃないと重さで登りは遅くなるようなので断念。まあ自分なりに吟味して選んで組んだ機材なので今更変えたくないというのもありました。そうそう、我らが(?)中華カーボン勢もいましたね。ちなみにツールド沖縄は今年からディスク解禁になったようですが、210kmのトップ勢はディスクのVengeに乗り換えが結構あったようです。UCIルールの最低重量6.8kg付近に仕上がって登りもリムブレーキと同等、ブレーキはディスクで効く(しかも全天候)、エアロ効果もあるとなるとリムブレーキの優位性はないのでディスク化は一気に進みそうな予感がします。空港では雨用のスペアかと思われるホイールバッグを持っている人もいました。ディスクならそういう心配もないです。

自分の選んだ機材について。申し込み時点では2012年のTCR ADVANCEDフレーム(今で言うエントリーカーボンレベル)に9100紐デュラ、ホイールはMAVICキシリウムプロSL。ツールド沖縄UCI規定に則った重量制限があります。自分のバイクの重量はUCI規定の測り方に従ってボトルケージとサイコン取り付け部込み、サイコンは取り外しで7.360kg。軽量化に拘るならあと560g軽くできます。140kmは優勝者がレーゼロ(アルミハイエンドのホイール、つまり今の自分のマヴィックと同等)だった年もあるらしく、完走目的だしこのままでいいかなあと最初は思いました。でもレースが近づくにつれて気分が高まってきて、決戦用の何かを買いたくなってきてしまいました。案としてはホイールを変えるか、フレームを変えるか、もしくは重量的に余裕ありそうなのでフレームもホイールも両方変えるかといったところ。結局、レース間近なのでフレームを変えるには遅すぎるしホイールだけ変えてみることにしました。決戦用ホイールってヤツです。

当然候補はカーボンディープになるのですが、まず迷うのがクリンチャーかチューブラーか。軽さとパンクしにくさ(完走したい)でチューブラーにしてみることにしました。というか、TCR AD0改を組む時から安くて性能が良さそうなとても気になっているホイールがあったのでそれにしたという感じです。ICANの38mmカーボンチューブラーホイール、所謂中華カーボン。1200g±30g(届いた商品を実測すると1230g 笑)で5.6万円、23cナローリム、リムハイト38mmのカーボンチューブラーホイール。50mmもありましたが、登りもそれなりに重視したいので38mm。amazonレビューの評判も良いです。安い、軽い、ナローリム。買った時点では全ての条件が自分向けだと思いました。ただ実際に沖縄を走ってみた感触では登りも下りも平坦もあるロードレースではワイドリムに25cタイヤの方が良さそうですね。ヒルクライムばかりやってた時期で23c信者だったのですが、下りをレーシングスピードで走ってみるとナローリムに23cタイヤ(沖縄ではGP4000S2チューブラーの22c)はバンクさせた時の挙動がピーキーだったり頼りないところがあります。あと沖縄はセンターラインに軽い凸凹がある箇所もあるので、下りで二車線使ってのアウトインアウトでバンクしながらセンターライン突っ切っていくみたいな時は25cの方がいいんじゃないかと思いました。あと付属のクイックリリースとブレーキシューはあまり評判良くないので、別の物にした方がよさそうです。時間が無かったので純正を試さずにクイックはマヴィック付属のものを、ブレーキシューはSWISS STOPのFLASH PRO BLACK PRINCEにしました。BLACK PRINCEだと晴れの日はアルミと効きは変わりません。雨だとアルミ比ビックリするほど効かなくてちょっと不安だったのですが、当日はなんとか晴れてくれました。スペアホイールを持っていた人もいたので、この辺はちょっと考えどころですね。まあでも、5.6万以下のホイールではズバ抜けた戦闘力を持っているし、ハイエンドのアルミホイールと比べても遥かに戦闘力は上です。軽いから登るのかと思いきや登りは意外と同等なのですが、平坦と下りは別物。巡航は+1~1.5km/h、下りもバシューン!と加速していきます。これはICANがというより、カーボンディープ全般がそうなのでしょうけど。

これで重量は7.075kg、キシリウムプロSL比で285g軽量化されました。もう少し軽量化を頑張って6.8kgに近付けてみようかなあとも思ったのですが、今回はここらで止めておくことに。

最後まで迷ったのはスプロケツールド沖縄は下りがかなり高速になるので試走した感触では50-34Tのコンパクトクランクではリア11Tでも足りないと思いました。ただセミコンパクトにすると登りでキツくなるという新たな問題も生まれます。当初は52-36T×11-28Tで行く予定だったのですが、思ったより足が育たなかったので52-36T×11-30Tで行くことにしました。自分は白石25分台でも30T使うかなという感じだったので、クルクル回して登るタイプというのもあるかもしれません。これは後で考えると良い選択でした。迷ったらリアの歯数は多めにしておいた方がいいです。

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ということで決戦仕様(後で灯火類とサドルバッグとミラーは取り外し)。
フレーム:TCR ADVANCED 0 2012年型
コンポ:デュラエースR9100(ブレーキのみアルテ6800)
ホイール:ICAN 38mm カーボンチューブラー(クイックはマヴィック)
タイヤ:コンチネンタル GP4000S2 チューブラー F8.5bar/R9.0bar
スプロケ:52-36T×11-30T
ブレーキシュー:SWISS STOP FLASH PRO BLACK PRINCE
重量 7.075kg

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あと、スプロケとチェーンを気合入れて完全清掃。シフトが本当に気持ちよく入るようになりました。 シフトケーブルも新品に交換。実はこのレースが終わったら乗り換えるかもしれないという事情もありケーブル交換はサボっていたのですが、前日にケーブルが切れかかっているのを見つけて慌てて交換しました。シマノ純正より日泉ケーブルは“切れかけ”の状態が掴みにくいです。値段1000円程度で手間もそれ程かからないので、どんな事情があっても大事なレースがある前は二週間前ぐらいに交換した方がいいですね。

最後に補給食とボトルの中身について。140kmなら固形無しで押し切れそうなのと、そもそも固定は食べにくそうなのでマグオンを4つ持って行くことにしました。ボトルの中身は2つともグリコccd+Mag-onの水に溶けるタイプ。ccdなら飲みながらカロリー補給もできるし、水は欲しくなったら途中で貰えばいいかなと。後から思えばスポドリ×1・水×1の組み合わせがよかったです。スポドリばかりは飽きます。ボトルは750ml×2でしたが、最高気温25℃で余裕で足りました。500ml×2でも無補給でいけそうです。Mag-onの溶けるタイプは少しでもこぼすと車体がベトベトになる(水を含んだ布で拭けばすぐ取れる程度ですが)のであまり使いたくないのですが、足がつりにくいというところに惹かれて入れておきます。あと緊急用にメイタンのカフェイン200を1つ、ツーランを2つ。この緊急用と思って持って行ったものが後で活躍することになります。(つづく)