ロードバイク組み立て その14 ~フロントディレイラー&シフトワイヤー調整のコツ~

フロントディレイラーとリアディレイラーのシフトワイヤー、フロント/リアブレーキワイヤーもやるべき事は本質的に同じで、「適正な可動域を設定」して「適正な張力でワイヤーを取り付ける」必要があります。

まずは適正な可動域ですが、これはマニュアル通りで上手くいくと思います。問題はワイヤーの張り方。

ロードバイク整備初心者がシマノのマニュアル通りにやるとどうなるか? ワイヤーの張り具合は殆ど適正よりも緩み気味方向になると思います。なので、「適正な張力でワイヤーを取り付ける」というのは現実的には「ワイヤーを張り気味に取り付ける」と言い換えてもいいと思います。適正より張り気味という意味ではなく意識的に張り気味ということです。

どのようにワイヤーを張った状態を作ってやるか?一つはワイヤーをペンチで挟んでグイグイ引っ張る。もう一つマニュアルには書いていない効果的な裏技が、ワイヤーの経路を短くしてやる。これをやるとペンチで引っ張らなくても「ワイヤーを張り気味に取り付ける」、つまり「適正な張力でワイヤーを取り付ける」ことができます。

フロントディレイラーの場合、どうやるのか?手でフロントディレイラーをグイッと持ち上げるように動かして、もしFDにワイヤーが取り付けられていればワイヤーに引かれた状態、要はワイヤーの経路が短い状態を作ってやればペンチでワイヤーをグイグイ引っ張らなくても「適正な張力でワイヤーを取り付ける」ことができます。ただR9100デュラエースの場合は単純ではなく、ディレイラーを動かした状態にするとワイヤー取り付けボルトが斜めになり、作業がちょっとやりにくいです。2400クラリスならボルトの位置が違うので簡単なんですけど。普通のL型レンチ(アーレンキー)でも作業はできますが、首の短いミトロイのL型レンチだと作業がやりやすいです。

 

経路を短くしすぎた状態(引っ張りすぎ)でワイヤーを留めれば張りすぎ、経路を長くしすぎた状態(引っ張りが足りない)で留めれば緩すぎになるのですが、何度か試行錯誤しれば適正な張り具合で取り付けられると思います。張る方向に調整域が残ってる状態で取り付けられればベストです。でもワイヤーって言われてるほど初期伸びはしない気がするんですけどね。取り付け後、一度も調整することなく交換時期を迎えるパターンばかりです。伸びたから調整が必要なのかなと思ったら、伸びたのではなくSTI内部でワイヤーが切れかかっていた(まあ広義では伸びたと言えるかもしれません)みたいな。(つづく)