ツール・ド・おきなわ140km参戦記 その3 ~機材選定&準備編~

ツールド沖縄140kmを走るための機材ですが、結論から言ってしまうと完走目的なら普段乗っている普通のロードバイクで十分だと思います。エントリー~ミドルグレードのフレームにノーマル~ゾンダあたりのアルミクリンチャーホイール、灯火や小さいサドルバッグ付きの普段乗りっぽいバイクでそのままみたいな人も結構参加していました。ただ先頭付近に並んでいる本気組っぽいバイクはミドル~ハイエンドフレームにカーボンディープの組み合わせが多かった。

ホイールで圧倒的一番人気なのはボーラワン/ウルトラ、クリンチャーよりチューブラーが多め。ボーラ率高いです。二番人気がマヴィックCOSMIC、ENVE。GOKISOもちらほらいます。前日に名護の受付でGOKISOはブースを出していて、なんと翌日のレースで使って良い貸し出しサービス!を行っていました。これは滅多にない機会だし借りて履いてみようか迷ったのですが、その場でGOKISOホイールについて調べると相当な剛脚じゃないと重さで登りは遅くなるようなので断念。まあ自分なりに吟味して選んで組んだ機材なので今更変えたくないというのもありました。そうそう、我らが(?)中華カーボン勢もいましたね。ちなみにツールド沖縄は今年からディスク解禁になったようですが、210kmのトップ勢はディスクのVengeに乗り換えが結構あったようです。UCIルールの最低重量6.8kg付近に仕上がって登りもリムブレーキと同等、ブレーキはディスクで効く(しかも全天候)、エアロ効果もあるとなるとリムブレーキの優位性はないのでディスク化は一気に進みそうな予感がします。空港では雨用のスペアかと思われるホイールバッグを持っている人もいました。ディスクならそういう心配もないです。

自分の選んだ機材について。申し込み時点では2012年のTCR ADVANCEDフレーム(今で言うエントリーカーボンレベル)に9100紐デュラ、ホイールはMAVICキシリウムプロSL。ツールド沖縄UCI規定に則った重量制限があります。自分のバイクの重量はUCI規定の測り方に従ってボトルケージとサイコン取り付け部込み、サイコンは取り外しで7.360kg。軽量化に拘るならあと560g軽くできます。140kmは優勝者がレーゼロ(アルミハイエンドのホイール、つまり今の自分のマヴィックと同等)だった年もあるらしく、完走目的だしこのままでいいかなあと最初は思いました。でもレースが近づくにつれて気分が高まってきて、決戦用の何かを買いたくなってきてしまいました。案としてはホイールを変えるか、フレームを変えるか、もしくは重量的に余裕ありそうなのでフレームもホイールも両方変えるかといったところ。結局、レース間近なのでフレームを変えるには遅すぎるしホイールだけ変えてみることにしました。決戦用ホイールってヤツです。

当然候補はカーボンディープになるのですが、まず迷うのがクリンチャーかチューブラーか。軽さとパンクしにくさ(完走したい)でチューブラーにしてみることにしました。というか、TCR AD0改を組む時から安くて性能が良さそうなとても気になっているホイールがあったのでそれにしたという感じです。ICANの38mmカーボンチューブラーホイール、所謂中華カーボン。1200g±30g(届いた商品を実測すると1230g 笑)で5.6万円、23cナローリム、リムハイト38mmのカーボンチューブラーホイール。50mmもありましたが、登りもそれなりに重視したいので38mm。amazonレビューの評判も良いです。安い、軽い、ナローリム。買った時点では全ての条件が自分向けだと思いました。ただ実際に沖縄を走ってみた感触では登りも下りも平坦もあるロードレースではワイドリムに25cタイヤの方が良さそうですね。ヒルクライムばかりやってた時期で23c信者だったのですが、下りをレーシングスピードで走ってみるとナローリムに23cタイヤ(沖縄ではGP4000S2チューブラーの22c)はバンクさせた時の挙動がピーキーだったり頼りないところがあります。あと沖縄はセンターラインに軽い凸凹がある箇所もあるので、下りで二車線使ってのアウトインアウトでバンクしながらセンターライン突っ切っていくみたいな時は25cの方がいいんじゃないかと思いました。あと付属のクイックリリースとブレーキシューはあまり評判良くないので、別の物にした方がよさそうです。時間が無かったので純正を試さずにクイックはマヴィック付属のものを、ブレーキシューはSWISS STOPのFLASH PRO BLACK PRINCEにしました。BLACK PRINCEだと晴れの日はアルミと効きは変わりません。雨だとアルミ比ビックリするほど効かなくてちょっと不安だったのですが、当日はなんとか晴れてくれました。スペアホイールを持っていた人もいたので、この辺はちょっと考えどころですね。まあでも、5.6万以下のホイールではズバ抜けた戦闘力を持っているし、ハイエンドのアルミホイールと比べても遥かに戦闘力は上です。軽いから登るのかと思いきや登りは意外と同等なのですが、平坦と下りは別物。巡航は+1~1.5km/h、下りもバシューン!と加速していきます。これはICANがというより、カーボンディープ全般がそうなのでしょうけど。

これで重量は7.075kg、キシリウムプロSL比で285g軽量化されました。もう少し軽量化を頑張って6.8kgに近付けてみようかなあとも思ったのですが、今回はここらで止めておくことに。

最後まで迷ったのはスプロケツールド沖縄は下りがかなり高速になるので試走した感触では50-34Tのコンパクトクランクではリア11Tでも足りないと思いました。ただセミコンパクトにすると登りでキツくなるという新たな問題も生まれます。当初は52-36T×11-28Tで行く予定だったのですが、思ったより足が育たなかったので52-36T×11-30Tで行くことにしました。自分は白石25分台でも30T使うかなという感じだったので、クルクル回して登るタイプというのもあるかもしれません。これは後で考えると良い選択でした。迷ったらリアの歯数は多めにしておいた方がいいです。

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ということで決戦仕様(後で灯火類とサドルバッグとミラーは取り外し)。
フレーム:TCR ADVANCED 0 2012年型
コンポ:デュラエースR9100(ブレーキのみアルテ6800)
ホイール:ICAN 38mm カーボンチューブラー(クイックはマヴィック)
タイヤ:コンチネンタル GP4000S2 チューブラー F8.5bar/R9.0bar
スプロケ:52-36T×11-30T
ブレーキシュー:SWISS STOP FLASH PRO BLACK PRINCE
重量 7.075kg

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あと、スプロケとチェーンを気合入れて完全清掃。シフトが本当に気持ちよく入るようになりました。 シフトケーブルも新品に交換。実はこのレースが終わったら乗り換えるかもしれないという事情もありケーブル交換はサボっていたのですが、前日にケーブルが切れかかっているのを見つけて慌てて交換しました。シマノ純正より日泉ケーブルは“切れかけ”の状態が掴みにくいです。値段1000円程度で手間もそれ程かからないので、どんな事情があっても大事なレースがある前は二週間前ぐらいに交換した方がいいですね。

最後に補給食とボトルの中身について。140kmなら固形無しで押し切れそうなのと、そもそも固定は食べにくそうなのでマグオンを4つ持って行くことにしました。ボトルの中身は2つともグリコccd+Mag-onの水に溶けるタイプ。ccdなら飲みながらカロリー補給もできるし、水は欲しくなったら途中で貰えばいいかなと。後から思えばスポドリ×1・水×1の組み合わせがよかったです。スポドリばかりは飽きます。ボトルは750ml×2でしたが、最高気温25℃で余裕で足りました。500ml×2でも無補給でいけそうです。Mag-onの溶けるタイプは少しでもこぼすと車体がベトベトになる(水を含んだ布で拭けばすぐ取れる程度ですが)のであまり使いたくないのですが、足がつりにくいというところに惹かれて入れておきます。あと緊急用にメイタンのカフェイン200を1つ、ツーランを2つ。この緊急用と思って持って行ったものが後で活躍することになります。(つづく)

ツール・ド・おきなわ140km参戦記 その2 ~飛行機と宿の確保編~

ツールド沖縄はクラスによってはすぐ埋まるとのことで、申し込み初日にエントリー。もっとも人気なのは年代別の50kmや100kmのようで、140kmはそれ程急ぐ必要はなかったようです。そして飛行機と宿の確保。格安のスカイマークと適当な宿で行こうかなとスタート地点の国頭付近のホテル国頭とやんばるくいな荘に電話してみますが、ツールド沖縄の期間中は名護ツアーセンターのパックで部屋は確保されてしまっているのでパックで取ってくれと。名護なら沢山ホテルがあるのでパックじゃなくてもよさそうですが、国頭は少ないホテルが全てパックで確保されてしまっているようなので仕方なく名護ツアーセンターのツールド沖縄パックに申し込みます。仕事もあるので土日のみの弾丸ツアー、行きは羽田発7:40の便にしたのですが始発電車で結構ギリギリに羽田空港着。電車はまず遅れないと思いますが、早朝なので道も空いてるでしょうし何かあったらタクシーで大丈夫でしょう。帰りは那覇20:55の便で終電は間に合わなくて途中からタクシー帰宅になりそうです。ただ、帰り一本前の飛行機にすると1万円ほど高くなるのでタクシー使用でもトータル金額は大差なし。ホテルは別に泊まるだけなので安宿で十分と思って大して考えずにホテル国頭にしました。

が、後で気付いたのですが実はどこのホテルにするかも重要だったりします。どこのホテルにするかから、もうツールド沖縄のレースは始まってしまっているのです! どういうことかというと、シード権の無い選手でなるべく前からスタートしたければ、なるべく早くスタート場所にバイクを並べる必要があります。140kmはスタートとゴールの場所が違います。なので大会側でゴール地点の名護からスタート地点の国頭までバイクを運んでくれるサービスがある(大会側としてはレンタカーは名護に置いておけということでしょう)のですが、自転車が運ばれる場所はオクマプライベートビーチ&リゾート。オクマリゾート以外の宿泊所の場合は大会側が用意したバスで各宿泊所からオクマリゾートへ移動して自転車を受け取ってスタート地点まで自走します。このバスが自分の泊まったホテル国頭6:30とか微妙に遅い時間なので(多分他の宿も同じ)、バイクを預けてオクマリゾート以外の宿にした場合はまず先頭付近に並ぶことはできません。宿をオクマリゾートにするか、もしくはオクマリゾート以外の宿なら宿までバイクを自走かトランポで持っていく必要があります。ちなみに各宿泊所からスタート地点までの距離は大差がなく近いです。ツール・ド・おきなわ140kmで先頭付近に並ぶなら、つまりこういう事です。

・オクマリゾートの場合
空港⇒レンタカー⇒名護で受付&バイクを預ける⇒名護に車を置いてタクシーやバスでオクマリゾートへ⇒朝早起きしてオクマリゾートでバイクを受け取り自走でスタート地点へ⇒名護ゴール後はゴール地点にあるレンタカーで空港へ

・オクマリゾート以外の場合
【プランA】
空港⇒レンタカー⇒名護で受付⇒名護に車を置いて30kmほど自走で国頭の宿へ⇒早起きして宿から自走でスタート地点へ⇒ゴール後はゴール地点にあるレンタカーで空港へ

【プランB】
空港⇒レンタカー⇒名護で受付&バイクを預ける⇒名護に車を置いてタクシーやバスで宿泊所へ⇒早起きしてバスより早くタクシーでオクマリゾートヘ⇒オクマリゾートでバイクを受け取り自走でスタート地点へ⇒ゴール後はゴール地点にあるレンタカーで空港へ

【プランC】
空港⇒レンタカー⇒名護で受付⇒国頭の宿へトランポでバイクを運ぶ⇒名護へUターン&車を名護漁港に置く⇒タクシーで国頭の宿へ⇒早起きして宿から自走でスタート地点へ⇒ゴール後はゴール地点にあるレンタカーで空港へ

【プランD】
・空港⇒レンタカー⇒名護で受付⇒レンタカーで宿泊所へ⇒朝早起きしてレンタカーにバイクを積んで宿泊所からかいぎんフィールド駐車場へ⇒自走でスタート地点へ⇒名護ゴール後は自走で国頭orバイクは鍵をかけてゴール地点に置いてタクシーで国頭へ⇒スタート地点にある車に乗って名護へ⇒スタート地点でバイクを回収してレンタカーで空港へ

輪行バッグがオーストリッチのOS-500等の畳んでコインロッカーに入れられるソフトケースであれば、レンタカーを使わずバス移動で名護で輪行袋をコインロッカーに入れるという手もありそうです。まあ何かと便利なのでレンタカーを借りてしまった方がいい気がします。オクマリゾートでも車でバイクを宿まで持って行ったりするプランもできますが、どうしてもバイクに絶対傷を付けたくない!とかじゃない限りメリットはなさそうです(たまに運営預けで運んでもらうと輸送中に傷が付くこともあるらしい)。オクマリゾート以外の宿泊地で別に先頭付近に並ばなくていいよという場合はオクマリゾート以外の宿でも名護でバイクを預けてしまうのが良いでしょう。というか基本、名護でバイクを預けた方がいいです。自分がとったのは【プランD】なのですが、これは那覇20:55発のパックでは遅い便にしたにも関わらず時間は結構ギリギリでした(後述)。というかホテル国頭でプランDなのは恐らく自分だけだった感じですね。まあ名護からスタート地点にバイクを運んであげるから、車はゴールの名護に置いておきなよ、その方が名護から空港まで直で行けるから当日飛行機で帰る人も時間の余裕もあるでしょっていうのが大会運営側の意図でしょう。

先頭に並ばなくてもいいよという場合は宿はどこでもいいし、当日帰宅なら名護でバイクを預けるのがいいでしょう。翌日帰宅ならスタート地点まで車で移動してレース後は自走でスタート地点まで戻っても時間は十分でしょうし、どっちでもいいと思います。その場合は先頭付近に並ぶこともできますね。どういうプランで行くか、どこで手荷物を預けるかなどはツール・ド・おきなわのHPよく読んで計画を立てておいた方がいいです。

ツール・ド・おきなわ140km参戦記 その1 ~参戦決定編~

運動不足解消のためにいいかなぐらいで乗り始めたロードバイクですが、すっかりハマってしまって速さを追い求めてトレーニングしたりレースに出るようになってしまいました。motorcycleのバイクの時もツーリング目的で乗り始めたのに、いつの間にかサーキットに通うようになってレースに出たりしていたのでそんな予感もしたのですが。ロードバイクでの初レース、ヒルクライムレースだったのですが思った以上に楽しかった。でも何か物足りない!登りしかないのと、距離が短いんですよね。登りだけじゃなく平坦も下りも好きというか特に下りでライン取りを考えて走るのは好きだし、距離もブルベ並にあったらいいなあと。山岳ブルベのレース版みたいなのないかなあと。

探してみるとありました。ツールド沖縄210km。ありましたというか、これしかない。ロードバイクの公道レースはヒルクライムが多くて、登りも下りも平坦もある長距離のロードレースとなると殆どありません。交通規制で公道を閉鎖してやる都合上、なかなかアップダウンがある長距離コースを確保するのが難しいのでしょう。ツールド沖縄は距離は210km、獲得標高2500㎞。もちろん公道閉鎖でやるので対向車線を気にせず二車線フルに使える。これなら申し分ないです。これに出たい!

まず最初に浮かんだ疑問。こんな長距離、トレイどうするの? 答えは行きたくなったら勝手に道端でしていいようです。トップ集団の場合は有力選手がトイレに行った場合は集団復帰するまで適当に巡航して待つとか、そういう紳士協定もあるようです。あとまあ、観客のいるところではしないとか。ロードバイクは紳士のスポーツと言われているようですが、この辺も紳士です。

もう一つ浮かんだ疑問の飛行機輪行はなんとかなりそうだし、これは210km出るしかないなあと思ったのですが、どうやら交通規制をかけて公道を閉鎖してやる都合上、数か所のチェックポイントで足切りがある模様。去年のリザルトを見ると210kmの完走率は73%、140kmは55%と結構厳しいです。210kmだと一番遅く完走した人でアベレージ30.98㎞/h。ドラフティング効果を考慮しても速い。調べてみると白石峠のタイムで25分切ってないと無理(後述しますがこの基準はちょっと違うと思いました)とか、自分にはちょっと完走は難しそう。で、さらに調べてみると210kmだけでなく140kmもあるようで、これだとアベレージ28.45km/h、白石峠30分切りで運がよければ完走/28分切りなら完走確実(この基準もちょっと違うと思ったので後述)とか、自分でもいけそうな感じ。申し込み時点で白石峠のタイムは28:09、申し込みから3ヵ月まだ時間があるし伸び代に賭けて210kmというのも考えたのですが、やっぱり完走はしたいので今年は140kmにエントリーすることにしました。正直140kmなら完走は余裕!と思っていたら実はそうではなかったのですが・・・。(つづく)

2018/10 月間走行距離

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距離1616km、高度10951m。レース前の休養があったので距離が多少短いのは仕方ないかな。高度も平日に物見山に行かなくなったので少な目。今月は200kmブルベでトップタイム、白石峠25分台突入などやっと走り込みの収穫期が来た感じ。取り敢えず白石峠は年内に25分切って来年の沖縄210kmに備えたいところ。11月はレースが二つ、休養も入れるのであまり距離は伸びないかもしれない。まあ空いてる時間はできるだけ走るってことで。

ロードバイクで速く走るにはどうすればよいか? やっぱり回すペダリング~足首を動かす

ロードバイクで速く走るにはどうすればよいか?自分の考え方の変遷から最近目覚めた(?)足首を動かすペダリングについて書いてみます。

まず自分が通い始めたのは荒川サイクリングロードでした。40km/hを超えるスピードで巡航している人もいるわけですが、荒サイで速い人を観察して思ったこと。とにかく筋肉がスゲェ!ふくらはぎモリモリでローマ時代の彫刻のような筋肉なんですね。ああ、速く走るには筋肉なんだなと思いました。筋肉を付けるにはどうすればいいだろう?筋肉にとにかく負荷をかけて筋力をつける。自転車に乗るのは好きだけど筋トレは別に好きじゃないので、とにかく筋トレ代わりに自転車を漕ぎまくる。重めのギアでガンガン踏む。ロードバイクの常識は軽いギアでケイデンス維持して回すぺダリングですが、そんなものは無視してとにかく重いギアを踏む。あと食事は高たんぱく低脂質を心がけてプロテインやサプリも摂ってみたりしました。

結果はどうだったか?巡航速度も峠のタイムもあがりました。筋力もつきました。荒サイで見かけたような彫刻のような筋肉には程遠いですが、特に膝に近い内腿のあたりが付いたようで、ブランドによってはスキニーが履きにくいです。しかしここで一つの疑念がわきます。ちょうど荒サイの平坦からヒルクライムにハマり始めた時期だったのですが、ヒルクライムで速い人を見ても特に筋肉ムキムキではないんですね。自分が多少付いたので、それほど他の人を見ても筋肉スゲェと思わなくなったのもありますが、その辺を差し引いても速い人は必ずしも筋肉ムキムキではないです。パっと見は筋肉が付いてないように見えても、もしかしたらヒルクライムに必要なヒルクラ筋(?)だけは無駄なく付いていている可能性もあるのですが、ここで一つの仮説を立ててみました。速く走るのにそんなに筋肉はいらないのでは?むしろ、筋力を上手く使うことが大事なのでは?所謂ぺダリング効率というヤツです。エアロフォームなどペダリングに限ったことではないので、単純に効率とか伝達能力と言った方がいいかもしれません。

最初に書いた通り、自分のぺダリングは筋トレ代わりの踏み踏みぺダリング。これをやめて一般的に言われているロードバイクの常識、回すペダリングを意識して試行錯誤してみますが、特に峠のタイムが劇的に伸びるわけでもなく結果は芳しくありません。後で考えれば、自分は回すペダリングを意識しても回すペダリングにはならないタイプの人間だったという話なのですが、その時は何も気付きませんでした。

そんなこんなで停滞していたのですが、突破口は200kmブルベを走っている時です。ブルベは600kmまでクリアしていて、ただ200kmを走るだけでは楽勝すぎてツマラナイし、トレーニングがてら勝手にタイムアタックをしていました。前半は順調にハイペースでクリアしたのですが、飛ばし過ぎたのか後半めちゃくちゃ辛い。これはもうどうにもならんと思って楽なペダリングはないかと色々試してみた時に、んんんこれは!と思ったものがありました。名付けて「足首へにゃんへにゃんペダリング」です。膝から先にはどこにも力を入れずにストーンストーンと落とすようにしてペダリングすると、足首がへにゃんへにゃんと曲がりながらクランクが回ることになるのですが、これがめちゃんこ具合が良い。特にパワーを入れてないのに意外とバイクが進むんですね。で、そこから足首はへにゃんへにゃんさせたまま余力を振り絞ってパワーを入れてみたら、これまたバイクがめちゃめちゃ進む。これはブルベの疲れが回復したら絶対フルパワーで試してやろうと思いました。

ブルベから次の週末に白石峠に行ってみると、結果は一ヶ月前の27分23秒から25分52秒へ-5.5%の大幅タイムアップ。白石までは超絶ポタリングモードでセーブしていたのですが、白石峠計測区間に入ってフルパワーで踏み始めてクランク数回転でこれイケるわって感触ありました。クランクがぐるんぐるん回ってバイクが進む、これが回すペダリングか、ペダリング効率が上がるってこういうことかって思いました。足首をへにゃんへにゃんさせることで踏むペダリングから回すペダリングになったんです。

速さの要素は大きく筋力・心肺能力・伝達能力(ペダリング効率・エアロフォームなど)の3つで、一ヶ月間の筋力や心肺能力の向上分もタイム短縮に寄与しているとは思うのですが、短期間に急激に筋力や心肺能力が高くなることはないので、この-5.5%はほぼ伝達能力の向上分と見ていいと思います。敢えて言えば、大体同じペース(1700km/月)で走り続けて三ヶ月で28分09秒から27分23秒へ2.7%短縮していたので、筋力と心肺能力分を0.9%/月と見れば、その後の一ヶ月で27分23秒から25分52秒で短縮した5.5%のうち筋力と心肺能力の分0.9%/月を引いて4.6%が伝達能力の向上分かなという感じ(アバウトな計算ですが)。まあ乗り方を変えてすぐタイムアップしたので、ほぼ伝達能力(の中のペダリング効率)ということでいいでしょう。

結局は踏むぺダリングから回すペダリングにしたらペダリング効率あがったよという当たり前の話ではあるんですが、回すペダリングにするにはどうすれば良いかは人によって違います。人間は意識してやらないとできないこと、無意識でもできることがあり、意識してやらないとできないことに意識を向けてやるのが大事で、回すペダリングを身に付けたいならどこに意識を持っていけば回すペダリングになるのか探してやる必要があるんです。それはそのまま「回すペダリング」であったり、あるいは自分のように「足首」だったり、他にも「かかとの位置」「太腿を上げる」「踏まない」「早めに荷重&抜重」「何時まで踏んで何時まで引く」「コンロッドとピストンをイメージ」など人それぞれ。この中の二つを組み合わせれば上手くいく人もいるかもしれない。自分の場合は「足首」で、それ以外では試したこともありましたが特に目立った変化はありませんでした。「足首」を疲れた時に試したのもよかったのかもしれません。あと、「足首」で改善してからは「コンロッドとピストンをイメージ」で更に定着した感じがあります。

そんなわけでやっと回すペダリングの入口に辿り着いた感じがあるんですが、回すペダリングになって良かったことはヒルクライムのタイム短縮以外にもあります。荒れた路面とかダートでもペダルが360度力のかかってない時が以前より無くなって空転しなくなりました。ということはペダリングモニターが無くても、荒れた路面やダートで綺麗にペダルが回るかが一つの目安になるかもしれまん。で、更に荒れた路面で綺麗に回るように試していると「クランクを中心に糸にくくりつけたペダルを糸がたるまないように遠心力でブンブン回している」みたいなイメージを意識するのもペダルを回すには良かったです。遠心力が最小限で糸がたるまないのが最も効率がいいのでしょうけど、糸がたるむ瞬間があるぐらいなら遠心力をかけすぎるぐらいの方がロスは少ないと思います。荒れ地で綺麗にペダルが回ればオンロードでも回るということは、シクロクロスをやればロードのペダリング効率あがるのかななんてアイデアも浮かびます。オフロードを走るとオンロードに生きるってmotorcycleの世界でも言われていることですが、如何にタイヤで路面を捉えるのかという部分は同じなのかもしれません。

Mavic Ksyrium Pro SL ファーストインプレッション

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運よくトラブルなく良品が無事届いたわけですが、まず見た目。

 

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やっぱり曲面で切削されたISM 4Dはカッコイイ。波状になったリムのシルバーもカッコイイ。

 

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カーボンのハブとエアロなストレートスポークもカッコイイです。真ん中の黄色は近くで見るとちょっと安っぽいのですが、まあ1m離れれば問題ないです。

 

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KSYRIUMロゴの入った黄色スポーク。これ、ハブの真ん中の黄色と同様でちょっと安っぽいです。何か塗料と言うか黄色いペンキでボテっと塗ったような感じで、ここだけ高級感がありません。まあ近くで見ればの話で、これも1m離れればどうでもよかったりはしますけど。

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漕ぎ出しは以前のALX473と重さも変わらないからか、特に何も感じません。巡航速度に入ってからが驚き。何だこれは?何か雲の上をスーっと進んでいるような、筋斗雲の上に乗ってしまったかのような感じ。まあ筋斗雲に乗ったことないけど。ホイールが無くなったかのような感じなんです。よく高級ホイールのインプレで出てくる、ホイールが無くなったような感じってコレのことかと思いました。そういうの読んだ時は、ホイールが無くなるなんてことあるかいな?書いてる奴はアホかいなと思ってたんですが、そんなことがあるんです。乗って数日はニヤニヤが止まりませんでした。ALX473の倍近い値段、国内価格なら3倍の値段ですが、その価値はあります。これは凄い。

あとマヴィックと言えば評判の悪いハブの回転。確かに他のホイールに比べると力を抜いた時に転がりにくいような気はします。NOVATECハブの中華カーボン方が回ります。個人的には気になるほどではないですが。

ブレーキの効きは7000km使ったALX473に比べれば効くけど、新品同士だったらどうだろう?殆ど変わらないのかなという感じ。

キシリウムプロSLに履き替えて行ったのは70km程度のいつもの物見山3周コースでペースもいつものペース、残念ながらタイムが上がったとかはなかったのですが、帰り道めちゃくちゃ足が重い。そして翌日めちゃくちゃ足に疲れが残っていて筋肉痛が酷い。いつものコースでいつものペースなのでそんなに重くなったり筋肉痛になるわけがないのですが。確かにALX473より剛性があるとは思いましたが、自分の体にこんな影響があるとは想定外でした。しかしあのホイールが無くなったような感じは味わい続けたいので、乗り方の改善でなんとかしようと試みます。痛くなるってことは剛性の高くなったホイールを踏みすぎているのが原因かもしれないという仮説を立てて、ぺダリングを踏むより回す方向に変えてみました。すると、数日後にはいつものコースは特に疲れも残らず痛みもなく乗れるようになりました。600kmブルベもこれでクリアしたので、剛性はありますがロングライドにも向いています。

まあ剛性とかそんなことは置いといて、ホイールが無くなったような感じ。これが味わえるだけで買って良かったと思えるホイールです。他にも良いとこ沢山あるんですけど。

ロードバイク部品を海外通販で SIGMA SPORTSでマヴィックのホイールを購入

まず最初に言いたいのは、海外通販は分の良いギャンブルであるということ。不良品や手違いで注文したのと違う品が届いた際にキチンと対応してくれないことも多いようです。交換に応じなかったり、値引きで済まそうとしたり、途中で音信不通になって泣き寝入りになったり。調べるとそういう事例が結構出てきます。Wiggleは割とマシな対応のようですが、国内通販よりかはすんなりいかないことが多いようです。サイトが日本語対応のCRC(Chain Reaction Cycle)やPBK(ProBikekit)やサイクリング・エクスプレスでもトラブルの話は結構出てきます。ただモノによっては値段が国内流通価格の半額近くのものもあり、良品が来てトラブルなく取引が終わる可能性もあることから、分の良いギャンブルぐらいの感覚で利用するのがよさそうです。

ということで?今回の買い物、マヴィックのキシリウムプロSL。国内を探すと高額の売れ残りのみだったのですが、海外を探しても芳しくありません。大手のwiggleCRCはマヴィックの取り扱いをやめていたり、マヴィックの取扱いのあるサイエクやPBKでもキシリウムプロSLはもう扱っていないようです。マイナーな海外通販サイトまで手を広げて在庫は無いか?と探してみるとありました。SIGMA SPORTSというイギリスの実店舗もある通販業者。評判を調べてみるとトラブルにあった人もいる模様。とは言っても、wiggleでもどこでもトラブルの事例は探せば大抵出てくるので完璧な海外通販サイトを探すのは不可能。以前ALX473を買った時にリムにガリ傷があって交換してもらったこともあり(ALX473は国内正規品だったのですんなりでしたが)、今回もそういうことになったらどうしよう?とちょっと頭をよぎります。ただ値段は77600円(送料込み79000円+関税)と安い。国内価格と比べると2/3程度、一つ下のグレードのキシリウムエリートと同じぐらい。これだけ安いなら分のよいギャンブルだろうということになりました。最悪、前輪か後輪どっちか使えればいいや的な。リムが凹んだのは前輪、できれば前輪だけは使える品であってほしいんですけど。

購入の時に気を付けなければいけないのは関税の支払い方法。事前に支払うか受け取りの時に支払うかなのですが、大抵は受け取りの時に支払う指定にした方が安くなります。

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Prepay \7046 for duties, taxes and fees now to gurante no additionl cahrges on delivery.を選択した場合。(事前に7046円支払っておけば追加で何も請求されませんよ)

f:id:merida80:20181014110054p:plainI will pay all applicable duties, taxes and fees on delivery.を選択した場合。78330円に関税がかかることになります。

念の為、受け取りで払う金額がどのぐらいになるのか計算してみます。本体価格*0.6*0.08でよいようなので、(77600-670クーポン)*0.6*0.8=3692.64円。実際には関税3500円+立替納税手数料(消費税込)1080円で4580円だったのですが、事前に支払う7046円より安くなりました。

2/3に注文して2/5に発送連絡、2/9に届きました。思ったより早かった。そしてドキドキしながら開梱して届いたホイールをチェックしてみると・・・キズ一つない良品です。どうやらギャンブルに勝ってしまったようです。こうして総額82910円でマヴィックキシリウムプロSL購入となりました。SIGMA SPORTS、納期は結構早いですね。ただ調べるとトラブルもあるようなので、自分の一度の経験だけで良い業者と言うことはできなさそうです。まあ前述の通りWiggleだろうとどこでもトラブル事例はあるので、国内と価格差があれば海外通販は分の良いギャンブルと言うことで。

 

※現在SIGMA SPORTSもマヴィックの日本への出荷は取りやめているようです。海外通販でマヴィックならBIKE24、CRC、サイエクあたりが日本への出荷取扱い有り。